怒り
映画も観ました。
映画が前後編になると勝手に思い込んでたのですが、前後編にならないと知り、原作の量を見ると…読んでおこうかなぁと思い、読みました。
ネタバレ内容になると思います。
それでも良ければ、読んでみて下さい。
まず、この映画を観たいと思ったのは綾野剛さんが出ていらっしゃるからです。
あ、すみません、綾野剛さんが好きなんです。
何が好きかと申しますと…長くなるのでやめましよう。
そんな邪な気持ちでこの映画を観ようと思ったのですが、宣伝を観ればみるほど内容が気になり本まで読みました。
大まかな内容としては
東京八王子で夫婦が殺されます。
殺害現場には「怒」の文字が。
その1年後、東京・千葉・沖縄で身元不詳の男が現れます。
そこで様々な人間模様があるのです。
東京では妻夫木聡さん演じる優馬と綾野剛さん演じる直人が出会い、関係を深めていくのですが、直人は身元不詳で、優馬も詳しく聞かない。そこであの八王子の事件の犯人が逃げていて、顔を変えどこかにいるとのニュースを見ると、もしかして…?なんて考えてしまうのです。
千葉では渡辺謙さん演じる洋平と宮崎あおいさん演じる愛子の親子に松山ケンイチさん演じる田代が現れます。愛子と田代が親しくなる中、洋平は田代の身元不詳が気になるのです。そして愛子に田代の事を聞くと「借金取りから逃げている」とのこと。それは本当のことなのか、または違う事件で逃げているのか…それは八王子の事件なのか?
沖縄では広瀬すずさん演じる泉がたまたま行った小さな離島でバックパッカーをしている森山未來さん演じる田中に会います。交流を深めていき、泉自身に怒りを持つ事件が起きます。そのことを同級生の辰也は田中へと話し、二人は親しくなっていくが、田中の行動が少し不審になると辰也は疑問を持つようになります。
私が気に入った一文は
上巻から
もしかすると直人が言うように、「俺はお前を疑っている」と疑っている奴に言うのは、「俺はお前を信じている」と告白しているのと同じことなのかもしれない。
下巻から
自分が愛した男をこれから連れて帰ると愛子が言っている。洋平が必死に守ってきた娘が、自分の愛する人をこれから守ると言っている。
この作品は小説もそうですし、映画もそうなのですが、信じることが難しいんです。
例えば、直人がもう少し優馬へ自分のことを話したら彼らの結末はもっともっと違うようになったんじゃないかなとか。
愛子と田代だって回り道なく、真っ直ぐ進めたんじゃないかなとか、洋平だって娘との関係も違ったんじゃないかなとか。
でも洋平と愛子の関係は羨ましいと思います。洋平は愛子への愛は本当に親子ですよね。親子故に、少し歪んでしまう。
小説を読み終えても泣かなかったのですが、映画で優馬が泣いた時は私も泣いてしまいました。
妻夫木さんの演技が素晴らしかったです。
小説を読んでから映画を観ると、わー優馬が生きてるとか、直人ってきっとこんな顔で優馬を見るんだろうなぁとか思っちゃいます。
宮崎あおいさんは愛子に近付くために太ったとおっしゃっていました。
お化粧をしていないお顔や体型と服装と、愛子でした。
人を信じることは難しいです。
私も毎日隣にいる人がどこで何をしているのか、どこでどう育ってきたか、そんなことを知れば信用出来るのか、それとも二人で重ねる時間が信用出来るのか…難しいですよね。
疑いを持つのは簡単です。
人には背負う物が沢山です。それを言葉にして誰かに伝えるのはなかなか出来ないです。
私自身もそうです。
また観たい映画です。
失礼しました。